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屋久島からの手紙

らんちゃんず、れぽーと。
(全文/らんちゃん筆)


2002年9月20日から23日にかけてのコト
 
  なにがきっかけだったのか今となっては定かではないのですが
  とにかく屋久島に行こうと決めていたのは随分前のような。
  なにもかも手配してくれた愛しいべりちゃんのためにも
  簡単にではあるけれど、記憶を留めておこうと思います。

  前日から荷物を詰めては抜き詰めては抜きを繰り返し、
  結局女二人旅に落ち着いたんだからそんなに気も遣うまいと、
  かなりいい加減な装備に落ち着いた割には重いザックを背負って
  私が地元の駅を出発したのは午後12時47分でした。
  新大阪からひかりレールスターで博多着が17時27分。
  はじめての駅にうろうろ悩みながらべりちゃんとすぐ合流。
  晩御飯は駅弁でいいよ、と言うと、べりちゃん曰く
  「博多の駅弁てたいしたことないんよ」(微笑)
  でも私は駅弁ていうだけで美味しく感じるんです。

  特急つばめ23号で一路西鹿児島まで、遠路4時間の九州縦断。
  左の車窓にお月様が出ていました。
  約2時間かけて駅弁と、べりちゃんはビール、私は如水をたいらげて。
    眠るべりちゃんが口元を押さえながら
    何か寝言を言ってたのはここだけの秘密だ。
  到着駅毎に3分4分5分6分と何故か遅れるJR九州。カンベンして。
  22時西鹿児島到着。やはり南国。暖かい、というより暑いくらいでした。

  翌朝7時起床。普段の生活からは考えられない健康的早起き。
  宿泊先のステーションホテルのカーテンを開けると、晴天。暑くなりそうです。
    べりちゃんがなにげに部屋のスリッパのまま
    出発しようとしたのも、ここだけの秘密。
  ミスドで朝ご飯を済ませて、バスで鹿児島港まで行きました。
  太陽も海もめいっぱい眩しい。桜島もじかに見るのは初めて。
  ジェットフォイルという高速船も勿論初めてだったのでとてもわくわくしてました。
  早めの搭乗手続きだったので窓際に座れたのがとても嬉しかった♪
  私は船酔いの心配は全く無いので、乗船中ずっと景色を楽しめました。
  指宿から外海へ出ると、速さがよくわかります。
  先行していたフェリーや漁船をぶっちぎりで追いぬいて行くのです。
  じきに波が高くなります。
  トビウオが跳ねています。
  船の後方にあがる飛沫に、虹が映っています。

  そして、とうとう屋久島・安房港へ到着です。
  港から見る屋久島は、本当に、海から聳え立つ急峻な山。
  海は晴れているのに、山の頂には雲がかかっている。
  本当に、本当に来たんだねえええ。

  レンタカーの手続きを済ませ、まずは宮之浦の宿を目指します。
  屋久島はぐるり島一周する道路があるばかりなので、
  少し走って微妙にカーブにかかるたび目の前に常に海が見えているのが
  「まるでだまされているような」。
  行きすぎたり電話で場所を確認したりしながら、お宿に到着。
  すでにお昼だったので、おめあてだったお店で食事しようとしたら大混雑。
  時間が勿体無いのでスーパーで食料買いこんで、白谷雲水峡へ向いました。

  地図上では短い距離でも、屋久島というのは本当に山。
  車で登っても、宮之浦から白谷雲水峡まで一本道だというのに、遠いです。
  カーブが続くし、当然ながら行きはずっと登りっぱなし。
  これを歩く人間もいるっていうんだから、たいしたものです。

  さて、今回べりちゃんが一番楽しみにしていた(んだよね?)白谷雲水峡。
  入り口に白妙の滝。水が贅沢に飛沫をあげています。体じゅうに水素が染み込みます。
  管理棟のおばちゃんに日暮れまでいる旨伝えると、目安を教えて下さいます。
  なにも深く考えずに、とにかく出発しました。午後2時ごろだった?
  はじめは所謂「ひりゅうコース」と呼ばれる、歩道のあるコースなので、
  なにげにサンダルばきのおねーさんなどもいらしゃったりします。
  歩き出してすぐにある“憩いの大岩”で、お昼をひろげました。
  バクダンおむすびが文字通りべりちゃんにとって爆弾だったワケですが。
  (あんまり食べないのよね。あれで元気に歩き続けたんだもん。)
  その後、てれてれと歩き出しました。少し歩いては眺め、歩いては立ち止まり。
   
  羊歯・苔類の被う大岩、切り株、大樹の幹、
  みどりの森の中を流れる白谷川の清流。
  水は、どこで汲んでも冷たくて美味しい。
  からだじゅうの細胞が深呼吸します。
  やがて原生林。
  鬱蒼とした暗さ。それに比例するように空気は更に清澄になります。
  一歩一歩を自分でちゃんと確認しながら歩きます。
  二代大杉。ぐるりとご挨拶。後姿も素敵です。
  三本足杉。大きな足越しに見える風景がおもしろいのです。
  おそらく雨が降ると越えるのは危険そうな沢を渡り、さらに原生林。
  やがて、時間が時間だからか、一気に人の気配が減っていきます。
  
  最近名づけられたというびびんこ杉のあたりで引き返すタイムアウトになりました。
  びびんこ杉のすぐ上に、名はないであろう大樹がいらっしゃいまして、
  ふたまたにわかれた根元から中を覗くと、天然のクーラーのよう。
    
     みずをとおし、かぜをとおし。
     気の遠くなるような時間、
     この先も、立ってるのですね。
 
  今登って来た道を下ります。皆さん仰られるとおり、下りのほうが登りよりコワイです。
  ヤクシカがいます。ヤクザルも。夕方のお食事時間のようです。
  この地の先住民であるかれらは、人のことなんかどうでもいいようです。
    実はこの原生林コースで着地地点の目測を誤り、
    とんでもない捻挫をしていたオオマヌケがいたことは
    絶対の秘密なのだ。うう、べりちゃん、その後大迷惑おかけしました(;;
  下る途中で「弥生杉コース」へ入ります。樹齢3000年。
  白谷雲水峡地区で最大の屋久杉です。
  根を踏み荒らされないように歩道で囲まれているために抱きつく事はできませんが、 
  しっかりと手や頬を押し当てて、声を聞いてみました。
     
     静かに眠っているようでもあり、
     でも、なにかとつとつと言っているような。
     私たちにはもう、わからなくなったコトバ。
 
  ゆっくりとした語りの気配だけが伝わりました。 
  
  歩くのが大嫌いだと言うべりちゃんが、道無き道を行く山登りって楽しい♪と 
  いたくお気に召した様子なのが私にはとてもヨロコビとなりました。
  はじめての登山(ハイキング?)が白谷雲水峡というのは、贅沢にしてラッキーでしょうか。 
  水も空気もとにかくキレイな、ゴミひとつ落ちていない山。 
  夕刻の霧が立ち込めて空気もみどりいろに染まる頃、
  びっくりするくらいお肌がしっとりしていました。

     みずのみちるかんかく。

  ギリギリ暗くなる前に下山。山の日没はあっという間ですね。先人の言う事は守りましょう。  
  お宿へ帰ってきたら、マスターに焼酎の麦茶割りをご馳走になりました。
  楽しいお話をいっぱい伺いました。アルピニストのノグチケンとかミヤザキハヤオとか。  
  お宿は実は満室で、私たちのいるコテージがかなり特等なことも発覚。なんて幸せ者。
  夏休みいっぱいバイトに来ているという女のコ、立命館の学生さんでした。
  お宿の露天風呂、時間が遅かったので熱いお湯を足す事はできなかったのですが、
  ざわざわと宮之浦川を抜けてくる風にふかれて、とても気持ち良かったです。

  あ、そうそう、満月って、広い海を照らすとものすごいキレイなんですね。海、光ってました。

  翌朝、コテージの屋根をダイレクトに叩く雨の音で起床。
  「雨?!」と苦々しく思っていると、すぐに止んでしまいました。
  べりちゃん曰く、「目覚ましだったんだよ」。実際そんな感じでした。もう良い天気。
  
  どこかのオオマヌケのせいで、残りの雲水峡踏破を諦めざるをえなかったので、
  島内を反時計回りでドライブの旅に出発になりました。
  お宿で手配していただいたお弁当を持って、レッツゴー♪
  右手に海、左手に山々を見ながら、まずは志戸子ガジュマル園。
  ガジュマルは、いわば、天然のカーテン。
  そして、特徴づけられているのが、幹から無数に伸びる気根。
  クワズイモの群生のむこうにひろがる樹上の世界は、アタゴオルへの道に似ていたかも。
  (ところで私はここで、屋久島ではじめてやぶ蚊に遭遇して、4箇所くわれました。)

  さて、他の方はどう思っていらっしゃったか聞いたわけではないのでこれは私見ですが、 
  屋久島は道路標識がわかりにくいです。少なくとも私たちはわかりにくかったです。
  とてもメインの観光スポットだというのに、分かれ道にいきなり小さな看板があるだけ、
  とか、そういう状況が非常に多かったように思われます。
  ので、私たちはこの先ずいぶんと不安を抱えつつ島内を走ることになりました。

  次の目的地は一湊燈台。島の最北端になります。勿論行きすぎて戻ったり。
  矢筈岬は、見たまま「フタコブラクダ岬」と命名してきました。
  ヤクシカはこんなところにも普通にいたりします。
  燈台は無人で入れないのですが、その先、断崖へ続く小道が結構な穴場でした。
  小道を西へ抜けると、目の前にひらける海。
  足元、はるか下に磯があって、数名の釣り人さんがいます。
  外海を渡ってきた波はとても荒くて、岩肌をざぶんざぶんと洗っています。
  風をいっぱいうけて、寝っころがって、海と空を一人占め気分。気持ちいい!!
  あとで、車からお弁当を持ちださなかったことを少し後悔しました。
  
  車に戻って、さらに進みます。
  いなか浜、海亀の産卵地として有名で、砂浜が広くて気持ち良さげです。
  屋久島燈台、生クリームでできた燈台みたいでカワイイです。
  海の向こうに見えた島影が口永良部島だと知ったのは後の事です。
  ここからずっと南下していく西部林道。
  森好き・ドライブ好きにはたまらない、すごい道です。
  原生林の中を普通に車で走っているような、あの感覚は表現しづらいです。
  くねくねと曲がる、なんとも素敵な林道を小一時間も走り終えたころ、
  次なる目的地・大川の滝を目指すのですが、やはりというか、
  また小さい看板が突然あるきりで、あやうく通過するところでした。
  おそらく時計回りに走っていればもう少し解りやすかったのかもしれませんが。

  屋久島で最大級の、落差80メートルを誇る大川の滝。
  間近まで行けたべりちゃんは、滝壷にかかる虹を見れたそうです。
  風向きによっては、私のいる大岩の上まで飛沫が飛んできます。
  ここでお弁当をいただきました。気持ちの良い事この上ないです。
  滝の傍、気脈の通じる大岩の上、ということで同じことを考えていたふたり、
  お昼寝を決行いたしました。30分ほど寝ていたでしょうか。
  リフレッシュして、後ろ髪引かれながらも滝を後にします。

  次の目的地は温泉。湯泊海浜温泉と平内海中温泉を見つけて、尾之間へ辿り着く事。
  しかしやはり看板が目立たなさ過ぎ、べりちゃんが勘で入った先は
  すでに湯泊を通過して平内でした。真昼間からくつろぐ地元のおじさんたち。
  しかし日中のこの日差しの下ではたとえ水着でもムリです。暑いです。日焼けします。
  ここから湯泊は近い筈だとUターン、見つけました!嬉しい!
  暗かったら絶対見つけられません。あんな小さい看板なんですもの。
  岩場のほうの湯船からはすぐ磯に入れるようになっていて、
  昼間はシュノーケリングの方で賑わっていました。
  べりちゃん口惜しがってました。どうぞ次回はシュノーケルセットお持ち下さい。
  湯泊温泉におりる途中に、天然のカーテン・ガジュマルの巨木に遭遇しました。
  しばらく見惚れていました。
     
     どれだけの永い時間が
     このガジュマルの中にあるんだろう。

  尾之間は(明るいので)難なく見つかりました。
  目印は“いわさきホテル”の看板だったりしますが。
  汗もかいていたので、入ってしまうことにします。お湯が熱くておっかなびっくり。
  だけどキモチイイ~~~ とろけそお♪

  ドライブ続行。しばらく行って、鯛の川側道橋で車を止めます。
  山の方向、太陽の光線の加減でまるで冗談みたいに荘厳です。
  なんとなく祝福されているようで、とても良い気分です。
     
     山からたちあがる水蒸気が雲を呼び、
     雲が雨を降らせ、その雨がまた森を育てる。
  
  この星を循環する水の動きが目に見えます。
  でも決して私たちの行く手を遮る雨は、今回は降らなかったのです。
  ああもう、いったい何に感謝したらいい?
  
  がんがん安房まで走ります。そこから紀元杉目指して山へ入ります。
  右へ左へうねる山道。距離感覚がさっぱりわかりません。
  それに、晴れた山道での西日はとてもとても怖いのです。
  カーブを曲がると突然太陽が視界に入ってホワイトアウトしたりするのです。
  座ってるだけの私でこんなに怖いんじゃ、運転手のべりちゃんはいかほどかと。

  ヤクザルの一団に遭遇しました。どうもヒトにエサを貰ったっぽい群れ。  
  親子連れだったり、窓を開けてみたら二足で立ってみたり、
  ヒト(とくにオナゴね)の弱いところをつくなんて、よくわかってらっしゃるなあ。
  勿論あげる気はさらさら無いのでゆっくり通過です。アブナイですよ、お猿さん。

  ヤクスギランド横を通過する間は、背の高い杉に目を奪われっぱなしです。
  そして、ようやく辿り着いた、紀元杉。
  標高が高いから寒くてびっくりです。
  すぐ横に湧いている命の水は、いままでで一番美味しい水だとべりちゃん感激。
  ものすごく冷たくて、甘露というのはこういうことでしょうか。
  そして杉。
  観光バスも来る大きな道沿いにあるので次々に人が来るのですが、
  そんなことは我関せずで、ただ佇む巨木です。
     
     もう、己の腕はそれだけになっているけれど、
     それでもずっと天に向かうのですね。

  やがて日も暮れていきます。
  彼らに別れを告げ、山を後にします。

  晩御飯を終えて休憩をとってから、湯泊温泉へ行きます。
  星を見ながらというのがべりちゃんのご希望だったのですが、この日は満月。
  ならば、お月見しながら湯船で一杯やりたい♪ということで小さい菊水を購入。
  湯泊へ着いて、車も人影もまばらなことに自分たちの幸運を喜びつつ、
  いざ波打ち際の湯船へ。
  それにしても下調べ不足というのはこういう時顕著にでます。
  満月のこの日は大潮で、干潮の前後3~4時間しか入れなくなる海沿いの温泉は、
  つまり潮が引くときまで海の水をかぶっているということで。
  はやい話が、ものすごくぬるい。
  温水プールです。私はとても入れません。
  果敢に入浴するべり嬢。足だけ浸けてぴちゃぴちゃする私。
  途中、暗闇の中何人かいらっしゃいましたが、こんなところは早い者勝ち。
  こちらの気配に気づいて二言三言交わすと、沈黙のうちに去られます。
  とりあえずお月様に乾杯などしつつ。
  地元のおじさんだけが「混浴文化」としきりに言い訳?なさりながら
  平内の潮が引くまで、と入ってらっしゃいましたが
  私は海風のあまりの寒さに、元湯の源泉のプールを一人占めしてたので、
  じつはべりちゃんのほうの様子はサッパリわかりません。
  源泉は大岩に囲まれていて、はじめお湯に浸かると月が見えなかったのですが、
  やがてゆっくりと顔を出し、海を渡る風の音と月だけに囲まれて  
  ものすごく気分良く長風呂を楽しみました。
  でも、源泉ですら37度もなかったと思われます。
  次回からちゃんと潮も調べましょうね。まったく先人の言う事は漏らさず聞きましょう。
     
     足の下からぽこぽこと湧きあがるお湯。 
     水面ではじける硫黄の匂い。
     ゆっくりと岩を侵食する、ぴきぴきという音。
     お月様。海。波。風。
 
  とんでもない贅沢を一人占めです。
  寒いかもしれないということで、ちゃんとした湯船のほうにも入りに行きます。
  さきに入られていた奥様方は「ぬるい」と仰ってましたが、
  波打ち際組の私たちには十分な温かさでした。
  そして、実に約一時間も入浴していたことに後に気づいたわけですが、
  帰路、寒くて震えが来るかもなどという考えは温泉効果の前に見事に杞憂に終わり、
  体の芯まで温まっていて、冷え性自慢の私の指先がずっと温かいままだったことが
  更なる喜びとなって神経細胞の隅々にまでいきわたることとなったのです。

  こうして、あまりにも短い屋久島の旅は終わりを告げます。 
  翌朝慌ただしく観光センターに寄ったりもしますが、10時20分発の船に乗ります。
  私はこの日、ただ帰宅する為だけの移動がこんなにも寂しいものだったのかと
  はじめて思い知らされました。
  博多駅でべりちゃんに別れを告げた後の絶大な寂寥感は、
  しかし再び必ず屋久島へ行くことを決心させるのです。

  これが、今回の旅の、おおまかなあらましです。
  文字の上ではなにもつたわらないかもしれませんが、
  とにかく次へつながる何かになればと、  
  拙い文章を残してみました。

  来年、その先、いつでもいい、
  必ず行きます。
  また会いましょう。
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テーマ:旅日記 - ジャンル:旅行

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